立会外分売を行う株主の調べ方

こんにちは

今日は、以前の立会外分売を題材にして、立会外分売を行う株主の調べ方(推測のしかた)について書きます。
(最近、新しく検証し始めたので、まだ良くまとまっていない部分もありますが、参考程度と考えて読んでいただければと思います。)

立会外分売で利益を出すために必要な情報は、分売数量、地合いなどいろいろあり、そのことは以前に立会外分売で利益を出すためのポイントで書きました。

その際に、立会外分売の真の目的(なぜ、大株主が大量に株を売りたいのかという点)もできれば調べたいけど、調べ方が難しいと書きました。

分売が実施される前に、「立会外分売実施に関するお知らせ」という資料が出て(東証のHPや口座開設が必要ですがネット証券で見れます。)、ここに一応、実施の目的が書かれています。

「一応」と書いたのは、大株主が利益を確定させる場合だろうが、会社が資金に困って自社株を売りに出す場合だろうが、分売の目的がなんであれ、「当社株式の分布状況の改善および流動性の向上を図るため。」と書かれることが多いからです。
これは、定型文のようなもので、変な例えですが、会社を退職するときにとりあえず、一身上の都合と言うようなイメージかもしれません。

つまり、「立会外分売実施に関するお知らせ」を読んでも、分売の真の目的はわからないことがかなり多いということです。
(「当社は当社株式の東京証券取引所市場第二部への市場変更の申請を行っており」などのように目的がはっきり書かれている場合もありますが、あまり多くはありません。)

前置きが、だいぶ長くなりましたが、分売の真の目的を知るために、まず、誰が分売を行おうとしているかを推測しようというのが今回の記事の趣旨です。
誰が分売を行うかがわかっても、必ずしも分売の目的までわかるわけではありませんが、手掛かりにはなると思うし、今後同じような分売が定期的に行われる可能性が高いのではないかなど、いろいろ推測できるようになるという利点もあります。

では、少し前の3/14の駅探の分売を例にして、実際にどうやって分売を行う株主を推測するか手順を追っていきます。

①会社四季報の株主構成を見る
分売を行う株主は、相当の株数を持ってるので、四季報に候補が載っていることが多いです。
ここに記載されている保有株数が分売数量を上回っている株主が候補になります。

(四季報は毎日更新されているわけではないので、情報が古くなっている場合もあって状況が変わっていることもあるので、その点には、注意が必要です。)

駅探については、CEホールディングス、ポラリス投資事業組合、フジメディアHLD、自社、インクリメント・ピーが分売を行う株主の候補であることがわかります。

②大量保有報告書を見る
大株主の株の保有割合が1%以上変動した場合に、5営業日以内に変更報告書が提出されます。
この報告書を確認することで、過去に頻繁に売買している大株主を見つけることができます。
頻繁に売買する株主が、分売を行うかまではわかりませんが、分売を行う可能性が高いと考えられます。


EDINETで調べるのが、一番正確で詳しい情報を得ることができるのですが、調べるのに時間がかかるので、余裕がないときは、大量保有報告書DBで確認します。

駅探の場合は、ポラリスが頻繁に売買を行い、自社(駅探自身)が買をよく行い、また、直近でフジメディアHLDが売っていることがわかります。

③銘柄固有の情報や大株主の情報を加えて、対象を絞る
最近の開示資料や大株主の情報を調べることで、誰が売買する可能性が高いかわかることもあるので、候補を絞ることができます。

駅探の場合は、最近2/28に自社株買を行っていることがわかり、大量保有報告書からポラリス、フジメディアHLDから買い取っている可能性が高いと判断できます。
自社株買を行ったばかりなので、自社(駅探自身)が分売を行う可能性は低そうです。

ということで、候補は、ポラリス>フジメディアHLD>CEホールディングス、インクリメント・ピーの順に可能性が高いと考えました。


実際に誰が分売を行ったかは、分売後しばらくして、大量保有報告書が提出されるので、それを見て確認することができます。

駅探の場合は、1番可能性が高いと思っていたポラリスでした。
まだ、かなりの株数を保有しているので、また、今後、どこかのタイミングで分売をするかもしれないと推測できます。

この方法以外にも、株式の情報サイトや掲示板を見るとあっさりわかる場合があります。
(ガセや煽りも多いので、お勧めはできませんが、YAHOOファイナンスの個別銘柄の掲示板や2ちゃんねるにも書かれていることも多々あります。)

しっかり調べたい場合は、EDINETから大量保有報告書を詳しく読んでいくと良いと思いますが、時間がかかるのが難点です。
大勝負する場合は、しっかり調べたほうがいいですが、分売で大勝負することってあまりないんですよね・・・
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立会外分売で利益を出すためのポイント(後編)

こんばんは。

今日は、昨日の前編に引き続き、立会外分売で利益を上げるためのポイントの後編です。

では、残りのポイント3点と課題点を書いていきます。

④貸借銘柄かどうか?

貸借銘柄は、分売実施日までに空売りが入りやすく、分売日に買い戻されやすいので、好材料となります。
ただ、最近知ったことなので、どこまで効果があるかはまだ良くわかっていません・・・

このサイトに詳しく書かれており、参考にしました。
(少し古い記事ですが、すばらしい分析です。)


⑤立会外分売実施前に株価を上げすぎていないか?

特に、分売が発表されてから実施日までに注目しています。

分売が発表されると、ディスカウント価格で大量の株価が売られることがわかるので、通常は株価が下がります。
(なにか材料があるとか、市場の調子が良ければ上がることもありますが・・・)

株価が高値圏にある場合は、ディスカウント価格で買えても、分売のありがたみがありません。

また、ほとんどないと思いますが、分売前に株価をつり上げる事件もあったので、用心しています。


⑥シカゴ日経平均先物が上げているか?

シカゴ日経平均先物が大きく上げていれば、利益が出る可能性が高くなります。
(日経平均が上がって始まることがわかっていても、普通に株を売買するとその上がった価格で株を買うことになりますが、立会外分売の場合は、前日終値の数%ディスカウントした価格で買えると決まっているため。)

反対に大きく下げている場合は、見送ったほうがいいでしょう。
ザラ場で、分売価格より安く買える可能性が高いです。

分売日の日経平均を読むという意味では、ダウ平均や為替に注目しても良いのですが、シカゴ日経平均先物のほうが日経平均と連動性が高いので、より良いと思います。


【課題点】

6つのポイントに加え、本当は立会外分売の真の目的(なぜ、大株主が大量に株を売りたいのかという点)も調べられれば良いのですが、難しいことが多いので今後の努力目標です。

なお、今回書いた分析手法は、比較的、割安銘柄に相性が良いと思います。

というのも、株価が高値圏にあったり、高PERの銘柄を、私が使っている6点だけを材料に分析するのは難しいからです。
おそらく、テクニカル分析を使ったり、分売前の板を見たりする必要があると思います。

今のところ、株価が極端に高値圏にある銘柄については、分析はしても分析結果に自信がないので、購入を申し込むことは見送る方針です。
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立会外分売で利益を出すためのポイント(前編)

こんばんは

先週は、お盆休みだったからか立会外分売はありませんでしたが、また、今週からいくつかが予定されているので、気になるものについて分析するつもりです。

当ブログで、これまでに立会外分売を14回分析したので、分析することにも慣れてきました。

以前に、立会外分売の概要について記事を書いたときに注意するポイントも少し書いたのですが、そのときに書くのを失念したことや分かっていなかったことがあり、良い機会と思うので、立会分売で利益を出すポイントについてまとめてみたいと思います。

私が分析する際に、チェックしている点は6点です。
(長くなるので、前編で3点、後編で3点と分けて書きます。)

①銘柄に魅力があるか?

当たり前のことですが、全ての取引で当てはまり、立会外分売でも例外ではありません。
一口に魅力といっても、割安だとか成長期待があるとか様々ですが、事業内容や業績などをチェックすることで判断します。


②配当(優待)権利日が近いか?

この項目も立会外分売に限らず、一般的なことですが、配当(優待)権利日が近いと、株価の下支えになります。
配当利回りが高ければ高いほど(優待の魅力があればあるほど)、効果は高くなります。

注意点は、配当権利日をまたいで持ち越す場合は、株価が急落する可能性があることです。
配当利回りが高ければ高いほど(優待の魅力があればあるほど)、急落する可能性が高くなります。

立会外分売で株を買って、配当をもらって、高値で売るというふうに何もかもがうまくいけば一番良いのですが、配当を諦めて早めに売るという判断が正しいことも良くあります。


③分売数量が多すぎないか?

需要と供給の供給の部分が多くなるため、分売数量が多すぎると、当日の上値が重くなったり、株価が値下がりする危険が高くなるのでマイナスポイントになります。

今まで分析を行ってきたイメージだと、株価が1,000円~2,000円程度の銘柄だと、10万株までくらいが少なく、10万~30万くらいが普通、30万以上が多いという感じです。

ただし、分売数量が多くても普段の出来高が多ければ、特に問題はありませんし、逆に分売数量が少なくても普段の出来高が少ない場合は問題になることがあります。
分売数量と普段の出来高を比較することが重要です。


では、続きは後編で。

(2013/8/19) 後編を書きました。
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立会外分売

こんにちは
今日は、以前のバリュー投資の例でも少し触れましたが、立会外分売についてです。

立会外分売とは、取引所の取引時間外に大株主などの大量の売注文をあらかじめ決められた価格で多くの投資家に分売する方法です。株主数を増加させることや流動性の向上などを目的としています。
大株主側の視点から見ると、大量に株を売りたい場合、一度に売ろうとすると株価が値下がりしてしまうので、それを防ぐために使います。

では次に、我々投資家がこの方法を利用する場合のメリット、デメリットを説明します。

【メリット】
・前日の終値より数%(通常は3%くらい)安く購入できる
・買付手数料が無料

【デメリット】
・(特に分売される株数が多い場合は、)上値が重かったり、値下がりすることもある
・抽選で当選しないと買えない


<考察>
最後に考察というか、私の考えです。
立会外分売は、割安の株をさらに安く購入できるので、バリュー投資には相性の良い方法だと思います。また、できるだけ普段から出来高の多い銘柄を選んだほうが良いです。(割安株は、出来高が少ないことが多くて両立するのが難しいですが・・・)

ただ、一番注意したい点は、立会外分売の真の目的(なぜ、大株主が大量に株を売りたいのかという点)です。
JASDAQ、マザーズから東証、東証2部から東証1部への鞍替えをする際の条件として、株主数が一定数以上必要です。このような鞍替えがあると株価が上昇することが多いので、鞍替えを目指した立会外分売であるなら購入を検討する価値は高いです。
反対に、大株主が自身の資金繰りに困って立会外分売を行うような場合などは、あまり期待はできなさそうです。

また別の機会に、実際に検証してみようと思います。
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週休5日生活を夢見て、投資(主に日本株)を行う男性会社員です。

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